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青空 チューリップ

高校生のころ、チューリップというバンドが大好きでした。

財津和夫さんの書く曲は、そのころ流行っていた私小説のような歌詞とは全く異なる、虚構の物語でした。
だからストレートに心に響かない人が多かったのかなぁ、『心の旅』などのヒット曲はあったもののすごくビッグという扱いは受けず、はるかに劣ると私には思えた○リスだの海◎隊だのが持てはやされ悔しい思いをしたものです。

因みに、小田和正さんが『クリスマスの約束』という番組でミュージシャンに好きな曲は何ですかとアンケートを取ったところ、一番票を集めたのはチューリップの『青春の影』
曲はばらけてるけど、一番票を集めたミュージシャンはスピッツだったそうです。

その財津さんの曲がいつごろからか、まぁ生ぬるいというか普通というかなんだかなぁという感じになり、私はそれが多分幸せな結婚をしたせいなのではと思うようになり、そんなことで作る曲が変わるなんてとそれまでの敬愛の気持ちの反動かもう大嫌いになり全く聴かなくなりました。
いや、正確には聴けなくなりました、腹が立って。
財津さんは変節した、堕落した、と周りの人に平気で言いました。
すごい八つ当たり。

本当にそれは長く続き、その間にブルーハーツ(→ハイロウズ)にもスピッツにもフジファブリックにも出会い、心を動かされる曲には事欠くことはなく過ごしてきました。

それでも最近、年のせいか(笑)またちょっと聴いてみたいなという気持ちになり、聴いていたところずっとずっと忘れていたこんな曲が突然流れてきてたじろいでしまいました。
そして、これが頭の中でリフレインしてせっかくのゴールデンウィーク後半、苦しくって仕方ない。

チューリップ 『青空』

あぁ暗い(笑)
もうこれ以上暗い曲ってないんじゃないかと思うくらい暗い"(-""-)"
思い立って検索してみたら、ある方は歌詞としてはもう禁忌の域だと書いていらっしゃいました。
そうね、今だったら “私を殺してほしい” なんて言葉を歌詞にする人はいませんね。
財津さんはこんな気持ちで曲を作っていたのか、それが何故変わってしまったのか、他人には知るよしもありませんが。

でも、これがそのころの財津さんのそのままの気持ちなんだと思っていました。
財津さんはこういう気持ちで曲を作っているんだと。
私はこういう世界を突き詰めてほしいと財津さんに望んでいたんだと改めてわかりました。
悲しみとか絶望とか救われなさとか、そういうことを。
財津さんはその能力がある数少ないミュージシャンだと。
勝手な思い込みですけどね。

そして財津さんはこういう曲は作らなくなりました。
もうこういう思いを曲にするのは嫌になったのかも知れない。
そして私は財津さんから離れました。

そういえば、ブルーハーツにも青空っていう名曲ありますね。
チューリップの『あいつが去った日』という曲に、♪青空が高すぎる あいつが去った日 とありますね。
青空っていうのは、何か人の心に働きかけるんでしょうか。
それも、明るいほうへとは限らないほうへ。

ミュージシャンも長く聴いているといろいろ変化があります。
曲の世界と自分自身が矛盾しないため彼女も作らない、結婚もしないと言っていた志村君はそのまま天国に行ってしまいましたけど。

変化を受け入れられるか否か、自分の心のありようも関係あるのだとしたら、またチューリップを聴きたくなった今の私はどういう心持なんだろう。

なんてことを考えてみるゴールデンウィーク最終日。

今年も、どこへもいかずに家でだらだらしていました。

Commented by ルーティーン at 2017-05-11 15:12 x
もなかさま

GWも終わってしまいましたね。
私も、ほぼ地元で過ごしていました。
さて
チューリップのお話、興味深く読ませていただきました。
もなかさまより私はたぶんいくつか年下だと思います。
チューリップが大好きだった時期は、中3くらいから高校生の前半ごろまで。
「虹とスニーカーのころ」や「Wake up」
で、ん?なんか変わった?となって、そのころからだんだんと、洋楽に興味が移ってしまったような記憶が・・・

もなかさまに比べると、当時私は何も考えてなく、チューリップの曲が急にダサくなった、いわゆる大衆受けを狙ったんだろうくらいに思ったように記憶しています。
年の差のぶん、まだ幼かったし、デリカシーもなかった(こちらは持って生まれた資質ですね 笑)のでしょう。
青空という曲も、きれいさっぱり忘れていました。
アルバム「Upside down」も確かに持っていたのに・・
何にも考えていなかった、ある意味幸せな高校生には、青空はきっと何にも刺さらなかったのでしょう。
ネットで探して聞いてみましたが、とても透明感のあるきれいな曲ですね。
大人になったいま聴くと、言い方は変ですが、歌詞も曲も本気で書いているという気がします。
アルバムの曲に、むしろそういう曲は多いのかもしれませんね。制約が少ない分、自由に作れるとか?
今のフジファブリックの曲も、アルバムのほうに私の好きな曲がたくさんあります(#^.^#)
限られた人しか聴く機会のないアルバムに、いい曲が多いのは、なんだかもどかしいような・・・

そうそう、チューリップの曲のなかで、私が好きなものをピックアップしてみると、意外に安部さん姫野くんのコンビの曲が多いことに、あらためて気づきました。
「あの、緩やかな日々」「博多っ子純情」「神様に感謝をしなければ」など。
先入観なく聴いていたら、もうチューリップの曲というしかないんですよねー  アレンジやらなんやら、それがバンドマジックなんだろうなぁ、なんて。

これからたまに、チューリップの埋もれた曲(私の中で)を聴いてみようと思いました。
きっかけをくださり、どうもありがとうございました。
PS.そういえば、先日アルバム「ナイアガラトライアングル」を買いまして、最近よく聴いています。
杉真理は、主人の高校の一年先輩です(どうでもいいハナシですが 笑)。


Commented by もなか at 2017-05-15 00:38 x
ルーティーン様
いつも拙ブログをお読みくださって、コメントも下さって本当にありがとうございます。
今回はまた、ルーティーンさんのチューリップ歴をお書きいただき、嬉しく拝見いたしました。
なんとコメント返ししたらいいのか迷っているうちに日にちが経ってしまい申し訳ありませんでした。
やはりシングル曲はとりあえず売れなくちゃというような部分があるのでしょうかね。
シングルを聴いてよかった人がじゃアルバムも聴いてみようかとなるような。
でも、ご本人たちの話を読んでみると売れる曲に対する感覚がちょっと普通と違っていたりして、面白いです。
スピッツのメンバーの対談を読んで、草野さんはロビンソンは実はあまりシングルには乗り気じゃなかったようなことが書いてあって、何だったかは忘れましたがあっちをシングルにしてたらどうだっただろうとか言ってまいて、いやいやロビンソンでよかったよ、と言ってあげたくなりました(笑)
私も、若いころは財津さん一辺倒でほかのメンバーの曲はオマケのように思っていましたが、最近はそんなことはないとわかるようになりました(遅い)
カラオケに行くと「博多っ子純情」は必ず歌います。
初めて「思えば遠くへ来たものだ」を聴いた時には椅子から落ちそうになりましたが、財津さんには無い魅力が安部さんのあの頼りない歌声にあるのかな、と思わないでもない(笑)
安部さんも亡くなっちゃって、なんかいつでもしみじみしてしまいます。
あと7これは大人になってから気づいたことですが、財津さんの曲って悪いのは絶対相手の女のひとなの。
お前が変わってしまったとかそんな女じゃなかったとかあの頃は楽しかったとか全部相手のせいのよね、と気づいて、それもなんだか勝手な奴だと聞きたくなくなった一因でもあります。
埋もれた曲といえば、これも安部姫のコンビですが、「セクシーペディキュア」もいいですよ。
遅くなったうえに長々とすみませんでした。
またコメント頂ければ幸いです。
フジファブリックの隠れた名曲はどうでしょう?
隠れてないけど(笑)志村君最後のアルバム「MUSIC」の最初の曲、MUSICは泣けるほど好きですが苦しくって最後まで聴けないことがよくあります。
そのあとの、「夜明けのBEAT」を聴くとなおさら、死んだらダメでしょ!と怒りたくなります。
Commented by もなか at 2017-05-15 01:00 x
追伸
おまけにタッチミスがたくさんあって、ほんとにお恥ずかしい。申し訳ありません( ;∀;)
Commented by ルーティーン at 2017-05-16 19:50 x
MUSIC、私も好きです。
ほわーんとさりげない曲ですが、あの歌っている声に私も泣かされます。
デモの段階の、ラフな歌声。
懸命で生々しくて、でも消え入りそうな感じがして...

フジファブリックの曲で一番好きなのは、たぶん陽炎かな?と。
他に好きな曲はどちらかというと地味目な曲が多く
・Anthem
・ベースボールは終わらない
・バウムクーヘン
・雨のマーチ
・hello
・まばたき  
ぱっと浮かんだものから、ランダムに書き出してみました。
三人体制のフジの曲では
・カタチ
・echo が好きです。

それから、もなかさまにチューリップのセクシーペディキュアをお勧め頂きましたが、これもなぜか全く思い出せません(汗)
好きなアルバムに入っているのに、本当に不思議。
いつか機会があれば、聴いてみようと思います!





Commented by もなか at 2017-05-18 08:04 x
ルーティーンさま
長いコメント書きましたが送信ミスで消えてしまいました(涙)
また書きますのでしばしお待ちを。7
Commented by もなか at 2017-05-18 08:18 x
ルーティーンさま
コメントありがとうございます。
そうです、まさしく私も同じ気持ちです。
デモテープだからこそ、志村君の生の声を感じられる気がして、切なさが増します。
順番は決められませんが、
茜色の夕日、ストックホルム、ダンス2000、ティーンエイジャー、星降る夜になったら あたりでしょうか。
「メリーゴラウンド」はバスの中で聴いていて突然泣けてきたことがあります。
志村君、やりたいことがまだまだたくさんあっただろうに、と思うとかわいそうで。
それからやっぱり「若者のすべて」です。
この曲は聴く方の気持ちによって、悲しくも懐かしくも楽しくも切なくもなれる、すべての人の心に寄り添える名曲だと思います。
echo,いいですよね。
これとかstarとかはメンバーの志村君への気持ちが痛いほど感じられて、ある意味志村君良かったね、と思え、だからこそ死んじゃダメなんだよ~となおさら悲しくなりますけど。
セクシーペディキュアは
♪踊ろう今夜はすべてを忘れ 可愛いお前とリズムに乗って~
という歌詞です。
空気の抜けたような頼りない安部さんの声、ご堪能ください(笑)
by yuming0117 | 2017-05-07 12:39 | 音楽 | Comments(6)

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by yuming0117
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